やっぱり気になる・・睡眠薬の副作用と依存性

眠れないから睡眠薬を飲んでみたい・・でも副作用が怖い。

睡眠薬に対して、「危険な薬」というイメージを持っていませんか?

たしかに1960年代までに用いられていたバルビツール酸系の睡眠薬は、過剰摂取による自殺や治療過程での死亡事故が目立っていました。
バルビツール酸系は治療に適した量と致死量が極めて近く、摂取量のコントロールが難しいのが最大のウィークポイントだったのです。

しかし現在は、ベンゾジアゼピン系・非ベンゾジアゼピン系の薬剤が主流。
かつての睡眠薬と比べてリスクが大幅に軽減されていて、たとえオーバードーズしても死に至ることはほぼありません。

ここでは、安心して不眠症治療に取り組めるよう、副作用と依存の可能性についてお伝えしていきます。

睡眠薬の服用で注意すべき副作用は?

睡眠薬の副作用

睡眠薬は脳に働きかけて緊張や不安を和らげて気持ちを落ち着かせ、眠りやすいコンディションへと導いてくれます。

入眠や睡眠の維持に高い効果を発揮してくれる反面、副作用には気をつけなくてはいけません。

睡眠薬を飲むと翌日にだるさや眠気を引きずることがありますが、薬の成分が体内から抜けきってしまえば影響はなくなります。
とくに注意したいのが、前向性健忘(記憶障害の一種)妊婦さんへの影響

この2点について、十分に確認しておきましょう。

寝るまでのことを覚えていない・・前向性健忘

前向性健忘は、服用してから眠りにつくまでの時間の記憶がない症状です。

即効性の高い睡眠薬を飲んだときに多くみられる副作用で、急速に脳に作用する過程で部分的な覚醒状態が起こってしまうため発症すると考えられています。

ダイエット中なのにお菓子を食べてしまった
話した覚えのない通話記録がある

など、無意識に行動してしまうので、場合によっては非常に危険。

車やバイクの運転をしたり包丁や火を使った料理をしたり・・。
もし外出して出先で眠ってしまったら、思いがけない事故につながる恐れもあります。

トラブルなく翌朝を迎えるためには安全な就寝環境を万全に整えたうえで睡眠薬を服用し、すぐ床につくことを心がけましょう。

妊娠中の服用は危険!

妊娠中に母体が服用する薬は、胎盤を通して胎児も吸収してしまいます
お母さんが眠れないからと飲んだ睡眠薬の成分は、お腹にいる赤ちゃんも吸収。

睡眠薬のなかでもポピュラーなベンゾジアゼピン系薬剤は、胎児の奇形(口唇口蓋裂)の原因になりやすいので妊娠中の服用は禁止されています。

妊娠前には睡眠薬を服用していたという人、妊娠してから不眠に悩まされるようになったという人、どちらもまずは医師に相談してみてください。
「少量なら大丈夫」「今日だけだから」といった自己判断で睡眠薬を飲むことは、絶対にやめましょう。

睡眠薬は依存しやすい?依存するとどうなる?

睡眠薬と依存について

「睡眠薬を飲めばスムーズに眠れる」という成功体験は、薬に対する精神的依存につながりやすいという面があります。

「飲めば眠れる」が「飲まないと眠れない」といった不安を呼び、眠れなかったらどうしようという不安から知らず知らずのうちに摂取量が増えてしまうことも。

また長期に渡って服用を続けていると、身体が薬に慣れてしまいます(=耐性がつくといいます)。
従来の量では眠れないからと服用量が増えて、肉体的に依存してしまうというリスクもあるのです。

用法・用量を守れば危険はない

現在の睡眠薬は、薬の成分自体が危険なわけではありません。
用量・用量の範囲内で、必要最小限の量を短期間服用するのであれば、何も怖くはない薬です。

しかし服用期間が長期間続いてしまったり認可されている以上の量を飲み続けたりしていると、安全だとは言えなくなってしまいます。

長期服用後の断薬は難しい?

「不眠の症状が改善されている」「薬がなくても眠れる気がする」と実感できても、急に服用をやめるのはちょっと待って。
不眠が再発・悪化する可能性が高まるほか、反動で睡眠薬への依存を引き起こしてしまうケースもあるのです。

もし「睡眠薬を減らしたい」「薬ナシで眠れるようになりたい」と思うのなら、焦らず・少しずつと肝に銘じておきましょう

たっぷり眠れなくても、ほどほどに眠れていれば大丈夫。
もし不眠をぶり返したとしても一時的なもの。
時間をかけて少しずつ量を減らしてみる。

減薬を進めていって、とうとう最後の1錠・最後のひとかけらまで減らせたとしても、「これをやめたら完璧!」とは考えないことが断薬成功のカギ。
「これくらいなら、まだしばらく続けちゃおうかな」とのんきに構えていられれば、いつの間にか自力で眠れるようになっていたという成功例もあります。

とはいえ自己判断での断薬は危険。
睡眠薬をうまくやめられる自信がないという人は、無理せずに医師に相談してみましょう。